入園まであと1か月。プレ保育の最終日に呼び止められて

幼稚園

プレ保育の最後に、突然呼び止められて

プレ保育の終了時間が近づき、教室では自由遊びをしていました。

子どもたちは、それぞれ好きなおもちゃを手にして遊んでいて、先生たちも子どもたちの様子を見ながら声をかけています。

いつもと変わらない、プレ保育の終わりかけの時間。

私も、そろそろ帰る時間かなと思いながら子どもの様子を見ていました。

すると、保育士さんから、

「ちょっといいですか?」

と声をかけられました。

何だろうと思って振り向くと、

「4月から、補助の先生をつけてもいいですか?」

そう聞かれました。

あまりにも唐突でした。

「はい。すみません、お願いします」

反射的にそう答えました。

でも、頭の中では、

「え……補助の先生?」

「今、何を言われたんだろう?」

そんな疑問がぐるぐるしていました。

そのときの私は、まだ状況をきちんと理解できていなかったと思います。

ただ、どこかで予感していた部分もありました。

だから、驚きながらも、

「ああ……やっぱり」

という気持ちも、少しだけありました。

「落ち着きがないので」と言われて

保育士さんは続けました。

「ちょっと落ち着きがないので。言葉も増えてきてはいるけど、教室の外に出たりするでしょう」

私は、

「はい……」

と答えました。

確かに、息子はじっとしているのが苦手でした。

興味のあるものを見つけると、そちらへ行ってしまう。

教室の中でずっと同じ場所にいることも難しい。

当時は言葉も少しずつ増えてきてはいましたが、まだ自分の気持ちを言葉で伝えることは十分にはできませんでした。

先生が言っていることも、わかっているような、わかっていないような。

私は、そんな息子の様子を毎日見ていました。

だから、

「そうですよね」

としか言えませんでした。

そして、

「すみません。ご配慮いただいて、ありがとうございます」

そう答えました。

すると、保育士さんから返ってきたのは、

「いや、配慮じゃなくてね」

という言葉でした。

その瞬間、空気が少し変わったように感じました。

「あ……」

と思いました。

それ以上、何と答えればいいのかわかりませんでした。

そのあとも何か説明をされたと思います。

でも、正直に言うと、その先で何を言われたのか、ほとんど覚えていません。

ただ、その場を早く終わらせたかった。

それだけは、はっきり覚えています。

「この人は、言葉で人が傷つく感覚がないんだ」と思った

そのとき私は、この保育士さんは、自分が発した言葉によって相手がどう感じるのか、あまり考えない人なのかもしれない、と思いました。

もちろん、先生には先生の立場があったのだと思います。

子どもの安全を守ること。

クラス全体を見ること。

集団生活の中で、どうしても一人では対応が難しい場面があること。

今振り返れば、補助の先生が必要だという判断そのものについては、理解できます。

でも、当時の私は、まだそこまで冷静に考えられる状態ではありませんでした。

「うちの子は、そんなに大変なの?」

「幼稚園でやっていけないの?」

そんなことばかりが頭の中を回っていました。

それでも、その場では何も言えませんでした。

「すみません」

「お願いします」

「ありがとうございます」

とただ繰り返すことしかできませんでした。

早く会話を終わらせるためには、それしかないように思えたからです。

子どものことを指摘されると、どうしても「私の育て方が悪いのかな」と自分を責めてしまいます。

入園まであと1か月。そこから私は「検索魔」になった

その出来事があったのは、入園まであと1か月ほどの時期でした。

帰宅してからも、頭の中はそのことでいっぱいでした。

「どうしたらいいんだろう」

「このまま幼稚園に入って大丈夫なのかな」

「何か今からできることはないのかな」

スマホを手に取っては検索。

また別の言葉で検索。

気になることが出てくれば、さらに検索。

気づけば、何時間も画面を見ていました。

今思えば、完全に「検索魔」だったと思います。

検索しすぎると、不安になることもわかっていました。

調べれば調べるほど、いろいろな情報が出てきます。

その中には、今の息子には当てはまらないものもたくさんあります。

それでも、止められませんでした。

「この1か月で、何とか目途をつけなければ」

そんな焦りが、一気に押し寄せてきたからです。

考えているだけでは何も変わらない。

だったら、とにかく動こう。

そう思いました。

入園までの1か月、できることを一つずつ

そこからは、本当に一気に動きました。

事業所を探して、見学の予約をして。

カウンセリングの予約をして。

必要な支援について調べて。

区役所に連絡し、ソーシャルワーカーとの面談、保育士との面談。

Zoomで医師との面談もしました。

それまで私は、児童発達支援というものが、こんなに身近なものだとは知りませんでした。

知らなかったことを知るたびに、

「もっと早く知っていれば」

と思うこともありました。

それでも、立ち止まっている時間はありませんでした。

育児に絶対的な自信があるわけではありません。

「これが正解」と思って子育てしてきたわけでもありません。

それでも、

「育児に自信があるわけじゃない。でも、自分のやり方には自信を持っていい」

そう言い聞かせながら、一つひとつ動いていきました。

なんとか入園の日を迎えた

事業所に通うスケジュールも決まりました。

受給者証も取得しました。

その経緯については、前回の記事に書いた通りです。

入園までの1か月は、あっという間でした。

不安になって、調べて。

迷って、また調べて。

電話をして、見学に行って。

決めて、また迷って。

そんなことを繰り返しているうちに、とうとう入園式の日がやってきました。

「あんなにバタバタしていたけど、なんとかここまで来た」

入園式の日は、そんな気持ちでした。

これで少し落ち着くかもしれない。

支援先も決まった。

幼稚園にも入れた。

これから少しずつ、息子に合った生活を作っていけばいい。

そんなふうに思っていました。

順調だったのは、最初の1週間だけ

そして、幼稚園生活が始まりました。

最初の1週間は、午前保育のみだったこともあり、思っていたより順調でした。

無事に通うことができて、

「なんとか大丈夫かもしれない」

と、少しだけ肩の力が抜けました。

ところが。

その直後、子どもが発熱しました。

そして、今度は私自身も体調を崩しました。

喘息になってしまい、2週間ほど動けなくなりました。

あれだけ必死になって整えたスケジュールが、あっという間に後ろ倒しになっていきました。

「やっとここまで準備したのに」

「これから始めようと思っていたのに」

そんな気持ちがありました。

支援先を探すのも、予定を調整するのも、実際に通い始めるのも、全部自分が動かなければ進みません。

だからこそ、体調を崩して動けなくなったことが、余計につらかったです。

自分ではどうにもできない「体調」というものに、あれだけ頑張って作った予定を、あっけなく崩されてしまう。

そのやるせなさに、糸が切れたようになりました。

次回は、実際に児童発達支援に通い始めてから、息子の様子はどう変わっていったのか。

実際に通ってみて感じたことも含めて、書いていきたいと思います。

※この記事は私個人の体験・当時感じたことを記録したものであり、特定の施設や職業全体を否定する意図はありません。子どもの様子や必要な支援には個人差が大きく、この記事の内容が一般的な正解を示すものではありません。お子さまの発達に関して気になる点がある場合は、医師や保健師、地域の発達支援センター等の専門機関にご相談ください。

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